こんにちは!バレーボールアナリストのわっきー(@wakky929analyst)です!
最近、メディアなどでも選手をサポートするスポーツアナリストの存在が取り上げられることも多くなり、スポーツアナリストを目指したい!という方も多くなっています。
- スポーツアナリストになるにはどうしたらいいの?
- どういう資格が必要?
この記事では、スポーツアナリストに興味がある人に向けて、スポーツアナリストになるためには何か特別な資格や技術が必要なのか、就職するためにはどうしたら良いかについて解説しています。
私は、バレーボールのアナリストとしてプロチームを男女合わせて3チーム、女子バレーボール日本代表チームを2014年~2016年リオ五輪までサポートし、2017年からはU20女子日本代表チームを中心に2020年までスポーツアナリストとして活動してきました。
- スポーツアナリスト歴10年以上
- Vリーグに所属するプロチームで計5シーズン
- 日本代表チームで計7シーズン(リオ五輪帯同)
長くスポーツアナリストとして活躍してきた私が、
- スポーツアナリストになるために必要な資格
- スポーツアナリストになるための就職ルート
について詳しく解説していきます!
スポーツアナリストになるには?
スポーツアナリストになるには競技特性を理解し、専門的な知識とスキルを持ち合わせている必要があります。
- 競技特性の理解
- 専門的な知識やスキル
競技特性とは、ルールや戦術などの基本的な知識がこれに当たります。
専門的な知識とスキルとは、例えば、統計学に長けていたり、専用分析ソフトが使えたり、プログラミングなどの技術を持ち合わせていることです。
その上で、
- プロチームにアナリストとして入団する
- スポーツデータ企業にスポーツアナリスト(データサイエンティスト)として入社する
の2パターンがあります。
プロチームにアナリストとして入団することでチームの強化を直にサポートすることができるようになりますが、これには「専用分析ソフト」を扱える人が圧倒的に有利になります。
バレーボールの場合では「Data Volley(データバレー)」、サッカーやバスケットボール、バドミントン、フェンシング、その他のスポーツであれば「Sports Code(スポーツコード)」という分析ソフトを使うのが主流となっています。
それらの分析ソフトを扱える人の需要が高いのです。
では専用分析ソフトを扱えない人はスポーツアナリストになれないのかと言うとそうではありません。
分析ソフトを扱えなくてもスポーツアナリストとして活躍している方は存在します。
それは、スポーツデータを扱う企業や、スポーツデータの分析に長けた企業に就職することで実現します。
企業においてはデータサイエンティストと呼ばれることもあるでしょうが、本質はスポーツアナリストと変わりありません。
スポーツアナリストに必要な資格や免許
結論からいうと、スポーツアナリストになる為に必要な資格や免許はありません。
私はバレーボールが専門ですが、どのスポーツにおいても共通した資格や免許は存在しません。
例えば、医者になるためには医師免許、教師になるには教員免許が必要になりますが、スポーツアナリストに関しては決まった資格や免許はありません。
職業としてのスポーツアナリストという定義は明確にはされていないのです。
なので極論を言えば、自称スポーツアナリストと名乗れば誰でもなれます。
スポーツアナリストとして就職するのに、特別な資格は必要ないと書きましたが、スポーツアナリストの業務を円滑に行うために持っておいた方がいい資格もあります。
免許や資格がないからこそ、一般的な資格を持っておくことで自身が持っている知識や技術の証明にもなります。
- MOS(マイクロソフト・オフィス・スペシャリスト)
- 統計の知識
- 英語力(日常会話程度でOK)
- BIツール(可視化ツール)
- プログラミング(Python)
- データサイエンティスト検定
スポーツアナリストを目指すなら持っておくべき資格・スキル
MOS(マイクロソフト・オフィス・スペシャリスト)
MOS(マイクロソフト・オフィス・スペシャリスト)とは、マイクロソフトオフィス製品(Excel、Wordなど)の利用スキルを証明できる資格です。
私も大学卒業後、プロチーム1年目の時に受講し、取得しました。
- データ処理に必要なExcelやWordの操作をマスターできる
- 履歴書にも書けて、スキルの証明になる
- MOSは世界共通の国際資格として認定される
MOS(マイクロソフト・オフィス・スペシャリスト)は独学でもがんばれば取得することは可能です。
もし自信が無い方は対策講座を受講して体系的に学ぶのが良いと思います。
統計の知識
スポーツアナリストはデータを読み解く力が重要です。
データを使って客観的にプレーを評価したり、実態を明らかにするには統計の基礎知識はある程度持っておいた方が良いと思います。
力試しとして「統計検定」があるので興味がある方は受けてみてください
検定を持っていれば、スポーツだけではなく、ビジネス分野でも汎用性があるので生涯にわたって役に立つと思います!
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- 統計の知識を体系的に学べる
- 統計の知識の証明になる
- スポーツだけではなく、ビジネス分野でも使える
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英語力(日常会話程度でOK)
スポーツアナリストと英語力は関係ないように思えますが、そんなことはありません。
チームをサポートするということは、選手との会話、スタッフとの会話は重要です。
プロスポーツであれば、外国人選手や、外国人監督などの下で働く可能性も出てきます。
そんな時に日常会話程度でも英語が話せれば大きなアドバンテージになります。
なぜなら、同じくらいのスキルと分析力を持った人が2人いたとき、英語を話せる人の方が魅力があります。
通訳も兼業で出来ます!となれば、スポーツアナリスト兼通訳としてチームに歓迎される可能性も高くなります!
- 外国人選手や外国人監督とのコミュニケーションがスムーズになる
- 英語が話せることで採用のチャンスが高まる
- 海外遠征時に頼りにされる
- スポーツ以外の業界でも重宝される
英語検定やTOEICを受けてスキルを証明するのもありです!
そこまでいかなくても、日常会話程度で大丈夫ですので、 スタディサプリENGLISH(新日常英会話コース)で身につく程度の英語力で十分だと思います
ちなみに私は、高校時代に英語検定2級を取得しましたが、勉強と実際に話すのはちょっと違っていて、外国人選手や外国人監督とのコミュニケーションはチームの通訳さんに頼りっぱなしでした。。
ぜひ、実生活で使える英語力だけでも最低限あるといいですね!
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プログラミング(Python)
スポーツアナリストを目指すならプログラミングも身につけておくと、他の人との差別化ができて大きなアドバンテージが得られます。
学ぶべきプログラミング言語は「Python」がおすすめです。
なぜなら、Pythonはデータ分析、可視化が得意な言語であり、データサイエンティストにうってつけのプログラム言語です。
- データ処理・分析・解析
- Web上の情報収集ツール(スクレイピング)
- AI(機械学習・深層学習)
- Webサイト作成
- ゲーム開発
Pythonが扱えるようになれば、おそらく職に困ることはないでしょう。
もちろんスポーツデータサイエンティストとして最前線で活躍できるすきるであり、最強の強みになります
- 分析ソフトと掛け合わせて独自のデータ処理・分析が可能になる
- スポーツアナリストでプログラミングが出来る人は少ない
- スポーツ以外の業界にも応用可能
プログラミングは独学も可能ですが、かなり難易度が高いです。
私も過去に挑戦したことがありますが、最初から意味不明なことが多すぎて断念し、読んでもいないプログラミングの本だけが積み重なっていました。
もしあなたが、本気で将来スポーツアナリストの職に就きたいのであれば、今のうちにプログラミングを習得してください!
TechAcademy(テックアカデミー)にPythonを使ってデータ分析の手法を習得する「データサイエンスコース」があるので、興味がある方はそちらを受講してみてください!
プログラミングはほんとに時間があるとき、思い立った時に絶対やった方が後悔しません!
プログラミングスキルは生涯にわたって有効ですし、スポーツ業界では希少な存在になり、スポーツ業界以外でも活躍の幅が広がります!

ほんとに若い時にやっとけばよかったって今でも後悔してる。。
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BIツール(可視化ツール)
BIツールとは、さまざまなデータを分析・見える化してそこにある課題を可視化するためのツールです。
専用の分析ソフトだけでは表現できない情報もBIツールを使えば直感的にわかりやすくすることが可能です。
- 膨大なデータをわかりやすく可視化できる
- 近年、需要が高まってきている
- Tableau
- Google データポータル
- Power BI
他にもビジネス向けに様々なBIツールがありますが、直感的で、デザインも美しいTableauが一番オススメです。
バスケットボールチームではチームに導入しているところもあるようです。
ただ、Tableauは有料(年間10万程度)なので、無料ツールならGoogle データポータルやPower BIがおすすめです!
どちらも使ってみましたが、個人的には、Google データポータルの方がオススメです。
データサイエンティスト検定 リテラシーレベル
データサイエンティスト検定リテラシーレベルとは一般社団法人データサイエンティスト協会が実施している検定で、データサイエンティストとしての実務能力と知識を有することを証明する検定試験です。
リテラシーレベルとは、データサイエンティストの見習いレベルで、
- データサイエンティスト初学者
- これからデータサイエンティストを目指すビジネスパーソン
- データサイエンティストに興味を持つ大学生や専門学校生
などを対象とした検定となっています。
もっと上級レベルの検定がありますが、まずはこのリテラシーレベルの取得を目指してみてください!
- データサイエンティストの基礎知識を体系的に学べる
- データサイエンスに関する知識の証明になる
一般社団法人データサイエンティスト協会のホームページはこちら
スポーツアナリストと呼ばれる職種とは
スポーツアナリストと言っても様々なところで使われています。
- スポーツの現場でサポートするアナリスト
- スポーツデータを解析するデータサイエンティスト
- テレビなどのメディアで試合を分析する解説者
「スポーツの分析をする人」=スポーツアナリストということが多い!
スポーツの現場でサポートするアナリスト
私自身はここに分類されます。
実際の現場で働くスポーツアナリストで特徴的なのは、分析に利用するデータを自身で作り出すことです。
バレーボールの場合は「データバレー」という専用ソフトを使いますが、他の競技では「スポーツコード」というソフトが多く使われています。そういった分析ソフトを用いて、プレーデータを蓄積し、そのデータを使ってフィードバックを行っています。
分析ソフトを使いこなすことが注目されがちですが、それだけではなく、大会のスケジュールを考えて対戦相手の情報をリサーチしたり、膨大なデータを資料にまとめたり、データを元に自チームの弱点を見いだし、それを解決するための練習方法の提案や、戦術の立案など多岐にわたります。
私の場合、データだけを扱う、「データ屋さん」というよりも情報(データ)を生かす「情報戦略屋」と言う方が正しいかもしれません。
スポーツデータを解析するデータサイエンティスト
データサイエンティストとは、膨大なデータ(例えば、購買データや顧客データなど)を加工してそこから経営改善を行うというのが一般的な企業における役割です。
スポーツにおいては、トラッキングデータ(位置情報)やプレーデータなどデータを分析し、チームの強化や勝利に貢献する専門家です。
統計的な知識に長けていたり、AI、機械学習などプログラミング技術を持ち合わせている場合も多いです。
AIを用いることによって例えばバレーボールであればセッターの配球を事前予測したり、試合の事前シミュレーションなどが可能になります。
またパフォーマンス分析だけではなく、選手のコンディション管理にもAIなどのテクノロジーが活用されるようになってきています。
スポーツのデータサイエンティストとして働ける会社については最近増えてきましたが、その代表格となる会社を下の記事にまとめていますのであわせてお読みください。
テレビで試合を分析する解説者
テレビやメディアで戦術の解説をするような方々が該当するかと思います。
例えば、テレビ番組の「Foot×Brain」にも出演している北澤さんや、バスケットのB.LEAGUEから公認アナリストとして認定されている佐々木クリスさんはテレビで活躍するスポーツアナリストです。
スポーツアナリストになるための就職ルート
スポーツアナリストになる方法は2通りあります。
- 大学でアナリストの実務を積み、プロチームのアナリストになる
- 大学や専門学校で専門性を高めてプロチームのアナリストになる方法
- スポーツ系企業に就職・転職する
順番に解説していきます。
大学でアナリストの実務を積み、プロチームのアナリストになる方法
大学でスポーツ科学の分野を学びながら、部活動に所属しアナリスト活動を行い実務を積み、卒業後の就職先にプロチームに入る方法です。
すごく夢のある話ですが、この道に進むのは簡単ではありません。ある程度のアナリストとしての知識や実力が必要ですし、それ以上に「運」も重要です。
なぜなら、あなたが大学を卒業する時にプロチームがアナリストを探していなければいけないからです。
プロチームは数えられる程度しかありませんし、アナリストは数年でコロコロ変わるというものでもありません。
実は、私は大学卒業後、日本たばこ産業株式会社の女子バレーボールチームのコーチ兼アナリストに就任することができました。ちょうどそのタイミングでアナリストを探していて、私も大学の監督に「アナリストとして就職したいです」と相談していたところでした。
私は運もあって実業団に進むことができましたが、狭き門だと覚悟してください。
大学や専門学校で専門性を高めてプロチームのアナリストになる方法
スポーツアナリストになるには何も体育学部でなくてはならないわけではありません。
最近はデータサイエンティストと呼ばれる、統計やAI、モデリングなどデータを扱うことに特化したスポーツアナリストも存在します。
特に野球では、トラッキング技術が進み、膨大なデータを処理してチームに還元するデータサイエンティストの求人が実際にあります。
なので、体育学部じゃなくても、部活動に所属していなくても、スポーツアナリストへの道が閉ざされるわけではありません。
スポーツ系企業に就職・転職するという方法
スポーツのデータ分析の会社は以前に比べて増えてきたように思います。
会社によってはチームや個人選手とサポート契約を結んでいたりするので、会社にいながら実際のスポーツ現場のスポーツアナリストとしてサポートすることも可能だと思います。
例えば、データスタジアムという会社はサッカーチームやプロ野球チームのサポートを行っていたり、アビームコンサルティングという会社はF1のサポートを行ったりしています。
スポーツデータサイエンティストの求人やスポーツアナリストの求人も以前に比べると増えてきているように感じますので転職サイトをチェックしてみるのもいいかもしれませんね!
スポーツアナリストのスキルが学べる大学や専門学校
スポーツアナリストのスキルが学べる大学や専門学校について紹介します。
最近は、スポーツのデータ解析をカリキュラムに入れている大学も増え、「スポーツアナリストを目指せる」という謳い文句を掲載している大学もちらほら見受けられます。
確かに、スポーツアナリストとしての知識を学べると思いますが、大事なのは大学卒業後にスポーツアナリストを仕事にできるかどうかです!
なので、スポーツアナリストを輩出した実績ある大学を厳選して紹介します!
- 仙台大学
- 東海大学
- 筑波大学
- 日本体育大学
- 専修大学
- 順天堂大学
- 東亜大学
- 鹿屋体育大学
- 仙台大学/スポーツ情報マスメディア学科
- 東京スポーツ・レクリエーション専門学校/スポーツ科学トレーナー科/スポーツアナリスト専攻
- 尚美学園大学/スポーツマネジメント学部/スポーツマネジメント学科
スポーツアナリストとして大学からプロチームに行くには、スポーツアナリストとしての基礎知識であるスポーツ科学を学んでおくのが良いと思います。(解剖学、コーチング学、バイオメカニクスなど)
バレーボールの場合、体育学部出身のアナリストが多く、バレーボール部も強豪である場合が多いです。
サッカーなどの他のスポーツの場合でも体育学部への入学が一番良いと思います。
スポーツアナリストを目指すなら体育学部のある大学で、大学1部リーグに所属するような強豪校。
なぜ強豪校が良いかと言うと、強豪校にはチームをサポートする環境が整っているからです。
例えばバレーボールの場合、関東1部、関東2部あるいは全国大会でベスト8に入るような大学には必ず「アナリスト」が複数名います。
つまり、大学の授業で知識を学びつつ、部活動で実務経験を積むことができるという最大のメリットがあります。
しかも、強豪校の監督にはプロチームとのパイプがあり、「アナリストを探している」という話も耳に入り、紹介してもらえる可能性が高くなります。(あくまでも可能性です)
特に最近、スポーツアナリストの分野を強化していて、プロチームへの派遣や就職が多くのが仙台大学です。
仙台大学では、様々な競技で使われている「スポーツコード」という分析ソフトの使い方が学べます。
スポーツコードが扱えると、基本的にはどんな競技にも応用ができるのでかなり重宝できると思います。
大学でスポーツコードを体系的に学べるところは少ないので進学に悩む学生にとっては一つの選択肢として検討する価値はあると思います。
もし気になる大学があれば、資料請求してみてください。
まとめ
この記事では、スポーツアナリストになるためにはどうしたら良いか、実体験やこの業界に長くいたからこそわかることをまとめました。
スポーツアナリストになりたいけど、どうしたらいいか分からない!という方の少しでも力になれたら幸いです。
この記事で出来るだけ詳細に書いたつもりですが、まだ疑問な点や不安なことがあればコメントで書いてください!
コメント
コメント一覧 (2件)
[…] でも、スポーツアナリストになるにはどこの大学に行けばいいのかわからないという人が大半だと思います。 […]
[…] スポーツアナリストになるには、色んな就職ルートを知ってリサーチしてみましょう! […]