バレーボールのアナリストが試合中に見ている6つの視点

こんにちは!わっきーです!(@wakky929analyst
今日は、バレーボールのアナリストが試合中に見ているポイントについてご紹介していきたいと思います!
バレーボールを観戦する際に、選手の動きやチームの戦術に着目して観ることで、
あなたのバレーボール観戦力は大きく高まると思います!

バレーボールのアナリストが試合中に行っていること

バレーボールはスポーツの中でもルールが緩いと言われています。
試合中にコート外の観客席からコートにいる監督やコーチに対してリアルタイムでデータや映像を送ることが許されています。
チーム独自にwifi環境を構築することも許されているので、データを送ることは当然ですが、電話やトランシーバーで観客席にいるスタッフとベンチにいる監督・コーチと会話することも可能です。

コードサイドにiPadを持った監督の姿をテレビでご覧になったことがあるかと思います。
あのiPadにデータをリアルタイムで送信しているのがアナリストの仕事です。
バレーボールでは、試合中にコート後方にいるアナリストがリアルタイムで情報を収集し、ベンチにデータを送っています。
データをリアルタイムで収集、いわゆるライブコーディングを行いつつ、数値情報や実際のプレーを見て、客観的な情報をベンチに伝えています。

 

バレーボールのアナリストが試合中に見ている6つの視点

それでは、具体的にどのような着眼点を持って試合を見ているのでしょうか。

セッターのトス配球

セッターによって、トスの配球やコンビパターンには特徴があります。セッターのトスの配球を読むことによって、どこにブロックのマークを付けば良いか予測することができます。
例えば、特徴の出やすいシーンとしては、アタックがミスになった後、もう一度ミスした選手に上げるのか別の選手に上げるのかというのも重要な視点で、そのセッターの傾向がわかります。
アナリストはもう少し詳しく、あるローテーションでBクイックを囮にした攻撃パターンの場合はライトに○%の確率で上げる。といった情報を読んでいます。
対戦にあたって予め相手の攻撃パターンやトス配球のパターンを分析し、選手はそれを頭に入れた上で試合に臨みますが、当然相手もこちらの分析をしてきているわけですので、事前に分析したパターンと、その日のトス配球パターンが合っているのかがまず重要になります。もし相手が、こちらの裏をかいてこれまでと全く違った攻撃パターンで来た場合、すぐにそれを察知し対応しなければなりません。

相手アタッカーのアタックコース

相手のアタックコースも、事前に準備した分析結果とその日の違いをまずは察知します。

アタッカーは当然それぞれ得意なコースを持っていて、その一番強い球が打てるコースを一番に警戒しなければいけません。ただ、相手もこちらの弱点を分析してきており、効率よく得点できるコースを狙ってきます。

相手がどういったアタックコースを狙っているかを観察することで、相手アタッカーに対してのブロックの位置やフロアディフェンスの修正を行う必要があります。

アナリストとしては相手のアタックコースの❝変化❞をすぐに気づかなければいけないのですが、そのためには事前情報が重要です。これまではどうだったのかという情報があって初めてその日の変化に気づくことができます。

相手のディフェンスフォーメーション

相手のディフェンスはこちらの攻撃に対してどのようなブロックシステムで、どのようなレシーブのフォーメーションを取っているのか確認します。何度も言いますが、相手もこちらの分析をし、対策を取っています。
ブロックシステムといっても難しいことを見ているわけではなく、次のようなポイントを見ています。

ブロックの着眼点

  1. 前衛ブロッカーの配置(間隔)
  2. 相手ミドルブロッカーはどんな時にコミットしてくるか。
  3. 相手のミドルブロッカーはこちらの速攻に対して正面についてくるか(フロントを取るか)
  4. こちらの速攻に対して相手のサイドブロッカーは手を出してくるか
  5. こちらのサイド攻撃に対してブロックはどこを防いでいるか

一つ例に上げると、こちらがBクイックを囮にした攻撃を仕掛けた時に、相手のミドルブロッカーがBクイックに対してその場から動かないのか(ステイ)、Bクイックの正面に張り付くような動きをするのか(フロント)を観察することでどのような攻撃パターンが有効か予測することができます。
さらにBクイックに対して相手のサイドブロッカーがブロックを跳びに来るのかによってもさらに攻撃を最適化することができます。

もし相手ミドルブロッカーがその場から動かず、相手サイドブロッカーもクイックに跳びに来ないようなら、素直にBクイック上げるとブロックが手薄になることが予測できます。
相手のブロックシステムを観ることで数ある攻撃の選択肢の中から、何が一番期待値が高い効果的な攻撃ができるか予測し、実行することができます。

フロアディフェンスの着眼点

  1. 後衛3人の配置(フォーメーション)
    1. こちらのセッターがトスを上げようとしている際の基準となる位置
    2. サイドから攻撃を仕掛ける際の位置
      1. ストレート側のレシーバーはどこまで下がっているか
      2. バックミドルはストレートとクロスのどちらに位置取っているか
  2. オフブロッカーの動きや位置取り

相手のフロアディフェンス(ブロックを跳ぶ人以外のレシーバーのフォーメーション)を見る際には、上記のような点に着目してい試合を見ています。

基本的にチームによってはベースとなる守り方がある程度決まっていることが多いですが、特徴のあるアタッカーに対応する場合は、アタッカーによってディフェンスのフォーメーションが変わることがあります。その相手がどんな意図を持ってディフェンスしているかを読み取り、コート上のどこが空いていて、どのコースに打ったら得点の可能性が高いか推測し伝えます。

以前、韓国代表のキム・ヨンギョンと同じチームにいたのですが、彼女は試合中に相手のディフェンスのどこが空いているかをベンチにいるスタッフに頻繁に聞いていました。
彼女は非常に高さのある選手で日本人相手だとブロックの上から打ててしまうので、どこが空いているかさえ分かればそこに打って決めることができたのでしょう。

レセプションのラインコントロール

レセプション(サーブレシーブ)の隊形も気にしてみると面白いと思います。
基本的に3人がメインでレセプションを行うことが多いのですが、チームによっては2人だったりします。3人の場合でも、人の間隔が違っていて、リベロなどのレセプションの得意な選手は広い範囲を取るようにしていたり工夫しています。
また、そのメインの3人が並ぶ縦の位置もチームによって様々です。
サッカーに例えるなら、オフサイドラインをコントロールするようにレセプションの隊形もネットに近いチームもあれば、後方で構えるチームもいます。
それによって、どんなサーブが効果的かを予測しています。

ブロッカーの位置取りとタイミング

 試合中には、相手の情報から対策を立てることも重要ですが、自チームの情報をウォッチすることも重要です。アナリストはコート後方からチームを俯瞰してみることができ、コートの横にあるベンチからは見えにくいエリアも見ることができます。数字以外にもアナリストには伝えられる情報があります。
ブロックの位置取りが事前に想定していた位置で選手が跳べているかどうか、という点とジャンプのタイミングが適正かどうかもフィードバックしています。
コート後方からの方が正確な位置がわかりやすいため、「もう少しストレート寄りで」といった微調整を行います。

スタッツ情報

 試合中にリアルタイムで入力しているプレーデ-タを活用して、今の状態を客観的に把握します。
アナリストは意思決定者ではないので、あくまでも監督・コーチへの情報提供です。それらの情報をもとにベンチにいるコーチ陣でメンバーチェンジなどの決定が行われます。
試合中には特にアタック効果率は重要視されます。
アタック効果率とは
=(アタック決定数-アタックミス数-被ブロック数)÷アタック打数×100
この数値の良し悪しがセットの勝敗に大きく関わってきます。
アタック効果率が悪い選手は、その日決められていない選手ですので、相手のディフェンスに対して有効なコースに打てていない可能性が高いので分析する必要があります。それでもアタック効果率が上がってこない場合はメンバーチェンジを検討しなくてはいけません。
また逆にアタック効果率が高い選手には、トスを集めたほうが効率よく得点が重ねられる可能性が高いです。

ボールを追いかけすぎない

 バレーボールはボールを落としたほうが負けるスポーツです。なので、どうしてもボールを追いかけてしまいがちなんですが、ボールを持っていない人の動きに注目するとまた違ったバレーボールの面白さを感じることができます。
サーブを打つ時に、テレビ中継などではサーブを打つ人が映りますが、反対コートのサーブを受ける側はどのような隊形で、どんな駆け引きをしているのか
また、アタックを打つ時に、その相手側のコートではどのようなディフェンスのフォーメーションを取ってアタックを拾おうとしているのか
少しボールから視線をそらすことで見えてくることがたくさんあります!
もちろん、ボールを打つときの華麗で迫力のあるスパイクも見応えの一つですが、
ボールを触っていない人の動きや駆け引きにも視線を移してみてください!
それでは、今日はバレーボールのアナリストが試合中に見ている6つの視点についてご紹介しました。
ぜひ会場やネットでバレーボールをご覧になる際や、実際にバレーボールをやる際には参考してみてください!
以前、試合前の公式練習で見ているポイントについてもご紹介していますので、
こちらも合わせて読んでいただけると、会場で試合観戦をした際には最初から最後まで楽しめると思います\(^o^)/